ねずみくんのくらべっこ
あんまり季節に関係ありませんが、こちらの本を。
お子様の語彙力向上に役立つと思います!
あらすじ
太っちょのねずみさん、スリムなねずみさんが、いろいろくらべっこをして遊びます。
ふたりが持ってる風船、どっちが大きいかくらべっこ。ふとっちょさんが大きい!と思ったら、ぱーん!カラスさんに割られてしまいます。
お次は積み木。どっちが高く詰めているのかくらべっこ。ふとっちょさんが高い!と思ったら、がらがらがっしゃーん。崩れてしまいます。
今度は山のぼり。走るふとっちょさん、自転車のスリムさん。どっちが速いかくらべっこ。のぼりはふとっちょさんが速かったけど、くだりはスリムさんに追い越されてしまいます。
さあ次は何をくらべっこするのかな??
おすすめポイント
子どもが楽しく自然に形容詞を理解する
言葉を話せるようになってきた子どもは、指差ししながらたくさんの単語を口にします。その単語は名詞、ものの名前がほとんどだと思います。親が「これはりんごっていうのよ」と教えるのもまずは名詞だと思います。
この本は、なかなか教えるのが難しい形容詞を、楽しくわかりやすく教えてくれます。「大きい」という言葉を教える時は、対になる「小さい」も一緒に示すことで概念がわかりやすくなるのですが、それをかわいいねずみさんがくらべっこという形で見せてくれています。
「大きいのはどっち?」とか声をかけながら読み聞かせると、子どもはすぐに理解すると思います。「子どもの教育は気になるけど、知育とかあんまり力を入れすぎるのもな~」とお考えのお母様にぴったりな絵本かと思います!
作者について
作者は多田ヒロシさんです。
「ねずみさんのくらべっこ」は、「ねずみさんのながいパン」「ねずみさんのおかいもの」と同じシリーズです。「ねずみさんのながいパン」「ねずみさんのおかいもの」共に、ねずみさんの大家族のだんらんシーンが特徴的です。もともと、編集者さんから「みんなで一緒にごはんを食べるとおいしいね」という内容の本を作ってほしいと言われ、できたのが「ねずみさんのながいパン」だったそうです。
次作の「ねずみさんのおかいもの」が、かなり難しかったそうで、これだけで何回も描き直したとインタビューで答えていらっしゃいます。そして、次の続編が「ねずみさんのくらべっこ」です。
くらべっこには、家族のだんらんシーンはありませんが、前作に登場するねずみの兄妹がくらべっこをして遊ぶ内容になっています。前2作とはかなり毛色の違う内容にはなっていますが、前作を読んだことがあれば、なお親しみをもってこの本を読むことができると思います。
多田ヒロシさんの絵本はこちらでも紹介しています。