ぼく、まってるから
だんだん暖かくなってきて桜も咲いたりしていますが、「春が来た~!お花見だ~!!」という気分にはなりづらい状況ですね。コロナウィルスへの対策にはいろいろな考えがありますが、自分と周りの人を守るという考えで行動しようと思います。
今日は、ひとりぼっちでも、お友達を待ち続けたねずみさんのお話です。私もすっきりするまで待ってまーーす。
あらすじ
春になってごきげんのねずみくんが菜の花道を歩いていると、「どーん!」と何かにぶつかってしまいます。それは、菜の花を見ていたくまくんでした。くまくんは菜の花が大好き。ねずみくんとくまくんはその日から友達になりました。
ねずみくんは毎日くまくんの家に遊びに行き、天気が良い日は一緒にでかけました。夏は魚釣り、秋は一緒に冬支度をしました。でもある日、ねずみくんがくまくんの家に行っても、くまくんはベッドから起きてきません。くまくんは冬眠に入ってしまったのです。
その日からすっかり元気をなくしてしまったねずみくん。くまくんのことばかり思い出してしまいます。そうだ!くまくんは最初に会った時、「菜の花が大好き」って言ってたなぁ。
ねずみくんはくまくんの家の前に菜の花の種を植えて世話をし始めました。「くまくん、いっぱいねむっていいよ。ぼく、まってるから」そう言いながら、菜の花が育つのを楽しみに待ちました。
春になって目を覚ましたくまくんが目にしたのは・・・?
おすすめポイント
気持ちを切り替えて前向きに待ってるねずみくん
くまくんが冬眠してしまって、落ち込むねずみくん。その姿を見ると、「あぁ、こんなに仲良しなのにお別れなんて。。。」とこちらまで悲しくなってしまいます。でもそのあと、くまくんの好きな菜の花を育てながら待つように気持ちを切り替えます。きっと、春に菜の花を見て喜ぶくまくんを想像しながら、大事に育てたんだろうなぁ。
どうせ待つなら、前向きに待った方が良いですよね。みんなコロナが落ち着くのを「待つ」わけですが、落ち着いた後の準備をしながら待つのも良いかもしれませんね。我が家は夏の旅行計画でも立てておこうかなぁ。
作者について
作者は、正岡慧子さんとおぐらひろかずさんです。今日は正岡さんに注目したいと思います。
正岡さんは、広告代理店勤務、飲食店経営を経て絵本作家になられた、異色の経歴をお持ちです。異色と書きましたが、絵本作家の方はけっこうおもしろい経歴の方が多いなぁと思います。いずれそういうのもまとめてみたいなぁ。
絵本は絵が主役という正岡さん。絵本を作る際、正岡さんが文を先に書きますが、絵描きさんが絵を描いたらいったん文を全部捨てて、絵に合わせて書き直すそうです。結果、文章がなくなり絵だけのページもできるのだとか。(「ぼく、まってるから」にもそういうページがあります!)
正岡さんはインタビューでこうおっしゃっています。
「こういうとき、あの絵本のあの子はこうしたよな」と思い起こすことができます。
絵本を読むことで子どもたちは、たくさんの心の経験を積み重ねていくことができます。
子どもだけでなく、大人も絵本に教えてもらうことは多いのだと思います。まだまだ私も心の経験を積んで行きたいと思うのでした。