毎週絵本

毎週、子ども向けに図書館で絵本を10冊借りることを習慣にしています。季節に合ったおすすめ絵本を紹介していきます。

ねずみくんのチョッキ

あけましておめでとうございます!みなさん、楽しいお正月を過ごせましたでしょうか。今日から仕事はじめという方も多いかと思います。昨年いろいろあったなぁという方も(わたしもですが)、気持ちを新たにがんばりましょう~!

さて、新年1冊目は、こちらの絵本です。だって今年はねずみ年ですし!

ねずみくんのチョッキ

  • 作者(文):なかえ よしを
  • 作者(絵):上野 紀子
  • 初版:1974/8
  • 対象年齢:3歳~

 

あらすじ

ねずみくんが、おかあさんにあんでもらった赤いチョッキを着ています。ぴったりでとってもよくにあっています。

そこへ、「いいチョッキだね。ちょっときせてよ。」あひるさんが声をかけてきました。チョッキを着たあひるさんは、「ちょっときついが、にあうかな?」と満足そう。

そこへ、「いいチョッキだね。ちょっときせてよ。」さるさんが声をかけてきました。チョッキを着たさるさんは、「ちょっときついが、にあうかな?」と満足そう。

次はあしかさんが「ちょっときせてよ。」、その次はライオンさん。最後にはぞうさんまでやってきて・・・。

 

おすすめポイント

こんなにおもしろかったっけ!?

子どもの頃に読んだなぁと思って久々に読んでみたら、おもしろすぎて爆笑しました。動物たちがチョッキを着た時の、肩をいからせた様子や表情がなんとも言えません。最後にねずみさんが「あー!ぼくのチョッキが!」と嘆くシーンも、予想通りの展開だけれども笑ってしまいました。

みなさんよくご存じの絵本だと思いますが、懐かしいなぁと思われた方はぜひもう一度ご覧ください。新しい発見があると思います!

作者について

 作者は、なかえよしをさんと上野紀子さんご夫妻です。なかえさんと上野さんは日大芸術学部の同級生として出会い、結婚します。卒業後はなかえさんは広告デザイナー、上野さんはイラストレーターになります。

広告業界で自分の思うような作品ができず悩んでいたなかえさんは、上野さんと一緒に自費で絵本を作るようになります。日本の出版社に持ち込んでもあまり反応はよくなかったのですが、知人のすすめで訪れたニューヨークで売り込んだところ、なんとすぐさま出版することに。(そのときの作品は「ぞうのボタン」)それがきっかけで日本の出版社の目にもとまり、ねずみくんのチョッキがポプラ社から出版されることとなりました。

ねずみくんの作品は、文章も絵もシンプルを心がけているそうです。ねずみくんの気持ちは文章に書かず絵で表現し、背景や景色は描かれていません。そして、ねずみくんの身長は2.6cmと決まっています。(ときどきちょっと違うこともあるそうですが(笑))また、ねずみくんの表紙のシンプルさは、VWのビートルの広告(真っ白い画面に白黒の車がぽつんと描かれていた)に通じるそうです。広告業界での経験が生かされているのですね。

そして、ストーリーへのこだわりは、オチがあることだそうです。朝起きて遊んで夜はみんなで寝ました、というだけではなく、あっと驚くようなオチがある作品を作ることを目指しているそうです。なかえさんがオチを考え、上野さんが納得のいったものだけを出版社に見せるようにしていたそうですよ。

シンプルなねずみくんの絵本にはこんなにたくさんの思いがつまっていたのですね。おもしろさの秘密がわかりました!ぜひシリーズ全39冊(あってるかな?)を読破したいと思います。