毎週絵本

毎週、子ども向けに図書館で絵本を10冊借りることを習慣にしています。季節に合ったおすすめ絵本を紹介していきます。

おいしいな うれしいな(ゆうちゃんは1さい)

保育所の内定が出始め、4月からの準備を始められる方もいらっしゃるかと思います。「うちの子、保育園で大丈夫かな?」といろいろ不安になる時期でもあると思います。
今日は、そんな時におすすめの絵本をご紹介します!

おいしいな うれしいな(ゆうちゃんは1さい) 

  • 作者(文):とくなが まり
  • 作者(絵):みやざわ はるこ
  • 初版:1996/12/18
  • 対象年齢:0・1歳

あらすじ

保育園でのお楽しみ、お昼の時間がやってきました。
みんな並んでごはんを食べます。

スプーンを使ったり、手づかみで食べたり、コップで飲んだり。
自分で食べるのおいしいな。みんなで食べるのおいしいな。

ごちそうさま。あー、おいしかった。

おすすめポイント

保育所での過ごし方がよくわかる!

作者が保育士→園長→理事長と保育にずっと携わっておられただけあって、保育園の雰囲気がとてもリアルに描かれています。表紙のゆうちゃんは、手のひらを上に向けてスプーンを持っていますが、みなさんのご家庭ではいかがですか?うちの子は手のひらを下に向けて持つスタイルだったのですが、通っている保育所では、「手のひらを上に向ける持ち方を指導しています」と言っていました。ゆうちゃんも指導されたのかしら・・・。

この絵本は「ゆうちゃんは〇さい」シリーズの第1作目です。1さい~3さいまで、各年齢毎に3冊ずつシリーズが出版されています。それぞれの年齢で、子どもがどのように保育所で過ごしているか、どう成長していくのかがよくわかります。保育所ってどんな感じだろう・・・と不安な保護者の方々、一度読んでみてください!ちょっとわくわくすると思いますよ。

作者について

作者のとくながさんは、保育士として10年以上勤務され、その後園長を約20年勤められた後、現在は保育園の理事長として活躍されています。そんな中で思うことは、「食の大切さ」だそうです。保育所に通う子は親が共働きで忙しく、家族一緒に食事の時間をとることが難しい場合もや、保育園でのお昼ごはんが命綱のような子どももいます。何を誰と一緒に食べるのかを自らが決定する力を育てたいと、20年も前から食育に力を入れられてきました。

この絵本ができたきっかけは、絵本編集者の後路さんが、絵本を読まれている現場を調査しようと、当時とくながさんが園長を務めていた保育園を訪れたことです。後路さんは。保育園で子どもたちの仲間に入れてもらい一緒に過ごすことで、子どもたちから学びながらもっと喜んでもらえる絵本を作りたいと考えるようになります。4年間でシリーズ9冊が出版されましたが、その間30回も保育園に通われたそうですよ。

この絵本のリアルさは、保育歴が長い方が作られたから、だと思い込んでいましたが、陰に編集者の努力もあったのですね!保育所にゆうちゃんと同じ目線でいるような気持になれるのは、後路さんの成果ではないでしょうか。また、「自分で食べるのおいしいな」「みんなで食べるのおいしいな」に、とくながさんの保育への思いが詰まっていますね。作者のバックグラウンドを知ってから絵本を読むと、一言一言に重みを感じますね~!