ぎょうれつのできるケーキやさん
先週で忙しい仕事がひと段落し、ほっと一息ついております。みなさんはいかがでしょうか。先週に引き続き、おいしそうな絵本を紹介します。パンもいいけど、ケーキもいいなぁ~。
あらすじ
ぐうぐやまのありんこたちは、今日も食べ物探し。落ちてきたケーキのかけらにつられて、アナグマさんのケーキやさんでした。アナグマさんの作るケーキはフルーツやまもり!とってもきれいでおいしそう。家に持って帰ってみんなにも食べさせたいなぁ。
ケーキを作る様子を見学していたありんこたちは、アナグマさんに見つかって追い出されてしまいます。でも、落ちているケーキのかけらを拾って家に持ち帰り、見よう見まねで小さなケーキを作ります。
こんなにきれいなごちそうはじめてみたよ!ありんこたちは大喜び。まわりの虫たちも集まってきて、小さなケーキ屋さんには、行列ができていました。
おすすめポイント
ケーキを作る工程が、さらに食欲をそそる!
アナグマさんのケーキ屋さんをありんこが見学する場面で、アナグマさんがケーキを作る工程が描かれています。スポンジにクリームを塗ったり、果物を並べたり。完成品ももちろんおいしそうなのですが、材料がきれいに並んでいたり、アナグマさんが丁寧に仕上げをしている様子を見ると、ますますおいしそうに見えます。小さい子も、「ケーキってこうやって作るのか!」っていう発見になるのではないでしょうか。
アナグマさんのケーキやさんの看板には、「たべほうだい セルフサービス」って書いてあります。うーん、うらやましい!
作者について
作者はふくざわゆみこさんです。
この本は、先週紹介した「ぎょうれつのできるパンやさん」と同じシリーズの絵本です。今回もふっくらおじさんはいるかな~、と探してみたのですが、残念ながら見当たらず・・・。でも、その代わりに「ふゆじたくのおみせ」の主役であるクマさんとヤマネくんがケーキを食べに来ていましたよ!ふくざわさんのこういう細かい描き込みがいつも楽しみです。
ふくざわゆみこさんの絵本は、こちらでも紹介しています。
ぎょうれつのできるパンやさん
こんにちは!先週から急に寒くなりましたが、みなさんお元気でしょうか?
年始から忙しくて疲れてしまったので、おいしそうな本を紹介します。
あらすじ
村から離れた山の奥に、ふっくらおじさんのパン屋さんがありました。でも、村から離れているため、お客さんが来てくれません。
ある日、においにつられて森に住む動物たちがやってきました。ふっくらおじさんにパンをもらった動物たちは、おいしさに感動し、お礼に木の実を渡します。ふっくらおじさんはその木の実を使って、くまさんのマロンパン、りすさんのくるみパン等、あたらしいパンを焼きました。
動物たちは牧場の仲間たちにもパンやさんのことを伝えます。おいしいパン屋さんのうわさはどんどん広まり、どうぶつたちで行列ができるようになります。最後にはペットから村の人たちに伝わり、人間のお客さんも買いに来てくれるようになりました。
きょうもふっくらおじさんのお店は行列ができています。
おすすめポイント
とにかくおいしそう・・・!
ど素人の私がえらそうに言うのも何なのですが、本当にふくざわさんは絵が上手だなぁ・・・と思います。細部まで描き込まれたパンやさんの店内の様子は本物のパンやさんみたいです。そして動物たちからもらった材料を使ったパンはかわいい(材料をくれた動物の形をしています)し、とってもおいしそう。。。
作者のふくざわさんの絵本にはパンがよく出てくる(パンぱくぱく、のねずみのチッチ等)ので、ご本人もお好きに違いないと勝手に思っています。好きだからこんないおいしそうに描けるんだろうな~、と思いました。
作者について
作者はふくざわゆみこさんです。
以前ご紹介しましたが、今回も細部まで描かれた絵に魅力を感じました。この絵本は「行列のできるおいしい絵本」シリーズの第一作で、第二作以降は同じ山に住む別の動物たちが主役となっておいしいものを作ります。でも、第二作以降にも、よく見るとふっくらおじさんはこっそり登場しているんですよね。ぜひ探してみてください!
ふくざわゆみこさんの絵本はこちらでも紹介しています!
ショコラちゃんのあいうえお
ちょっと今日は趣向を変えて、「あいうえお」のお勉強絵本を。
「あいうえお」の絵本は、アンパンマンや単語帳形式など、いろいろありますが、この絵本がかわいらしくて気に入りました!子どもよりも親が(笑)
あらすじ
何でもできるスーパーガール、ショコラちゃんの好きなもの(ちょっと苦手なものも)をあいうえおで紹介!
まずは旅行に行きたい国。「あ」はアメリカ、「い」はイギリス、「う」はウクライナ、「え」はエジプト、「オ」はオーストラリア。
次は作りたい料理。「か」は「カレー」、「き」はきんぴらごぼう、「く」はクロワッサン、「け」はケーキ、「こ」はコロッケ。
「あ」から「ん」まで、ショコラちゃんがいろいろな服に着替えてアクティブに紹介してくれます。「あ」から「ん」まで覚えられたかな?
おすすめポイント
ショコラちゃんがおしゃれでかわいい!
とにかくしょこらちゃんの衣装がいつもかわいいんです。子どもっぽいふりふりのかわいさではなく、大人の女性が着てかわいいなという感じのおしゃれさです。前ページがカラフルで明るいので、子どもも楽しく読めますし、大人もじっと見入ってしまいますよ。
なんだってしてみたい、どこへだっていってみたい、とアクティブなショコラちゃん。元気いっぱいな姿が魅力的なのですが、「こんなにいろいろな国に行って、かわいい服を着て、いろいろなスポーツをやらせてもらうなんて、相当なお金持ちの家のお嬢さんなんだろうな・・・」と、平民の私はいらんことを考えてしまうのでした(笑)
作者について
文章は中川ひろたかさん、絵ははたこうしろうさんです。この絵本では絵の魅力にはまってしまったので、はたこうしろうさんについて調べてみました。
はたさんは、はじめは広告や雑誌の仕事をしていました。ですが実際やってみるとどんな絵を描けばよいのか、今どんな絵がかっこいいのかがわからず、向いていないと感じたそうです。そんなとき、たまたま絵本の仕事をもらって、「これなら描ける!」と、どんな絵本を描けばよいかイメージがわいたそうです。そこから絵本を描くようになったそうです。描き始めの頃は、奥様のおーなり由子さんに構成を教えてもらうこともあったそうですよ。
はたさんは、絵本の魅力は絵が動かないということだとおっしゃっています。文と動かない絵が補完しあって、読み手の想像力をかきたてます。漫画や小説が映画化された際になんだか物足りないと思うのは、どんなに素晴らしい監督やキャストを使っても、読み手の想像するものの方がはるかにしのぐ世界がひろがっているから、とおっしゃっています。
なるほど。。。とても納得しました。はたさんは絵だけでなく文も描かれていますので、これからはたさんの絵本をどんどん読んでみたいと思いました。
それにしても、「ショコラちゃんはお金持ちのお嬢さん」という発想しかできない私の想像力の貧しさ・・・。たくさん本を読んで豊かにしたいと思いますっ!
ねずみくんのチョッキ
あけましておめでとうございます!みなさん、楽しいお正月を過ごせましたでしょうか。今日から仕事はじめという方も多いかと思います。昨年いろいろあったなぁという方も(わたしもですが)、気持ちを新たにがんばりましょう~!
さて、新年1冊目は、こちらの絵本です。だって今年はねずみ年ですし!
あらすじ
ねずみくんが、おかあさんにあんでもらった赤いチョッキを着ています。ぴったりでとってもよくにあっています。
そこへ、「いいチョッキだね。ちょっときせてよ。」あひるさんが声をかけてきました。チョッキを着たあひるさんは、「ちょっときついが、にあうかな?」と満足そう。
そこへ、「いいチョッキだね。ちょっときせてよ。」さるさんが声をかけてきました。チョッキを着たさるさんは、「ちょっときついが、にあうかな?」と満足そう。
次はあしかさんが「ちょっときせてよ。」、その次はライオンさん。最後にはぞうさんまでやってきて・・・。
おすすめポイント
こんなにおもしろかったっけ!?
子どもの頃に読んだなぁと思って久々に読んでみたら、おもしろすぎて爆笑しました。動物たちがチョッキを着た時の、肩をいからせた様子や表情がなんとも言えません。最後にねずみさんが「あー!ぼくのチョッキが!」と嘆くシーンも、予想通りの展開だけれども笑ってしまいました。
みなさんよくご存じの絵本だと思いますが、懐かしいなぁと思われた方はぜひもう一度ご覧ください。新しい発見があると思います!
作者について
作者は、なかえよしをさんと上野紀子さんご夫妻です。なかえさんと上野さんは日大芸術学部の同級生として出会い、結婚します。卒業後はなかえさんは広告デザイナー、上野さんはイラストレーターになります。
広告業界で自分の思うような作品ができず悩んでいたなかえさんは、上野さんと一緒に自費で絵本を作るようになります。日本の出版社に持ち込んでもあまり反応はよくなかったのですが、知人のすすめで訪れたニューヨークで売り込んだところ、なんとすぐさま出版することに。(そのときの作品は「ぞうのボタン」)それがきっかけで日本の出版社の目にもとまり、ねずみくんのチョッキがポプラ社から出版されることとなりました。
ねずみくんの作品は、文章も絵もシンプルを心がけているそうです。ねずみくんの気持ちは文章に書かず絵で表現し、背景や景色は描かれていません。そして、ねずみくんの身長は2.6cmと決まっています。(ときどきちょっと違うこともあるそうですが(笑))また、ねずみくんの表紙のシンプルさは、VWのビートルの広告(真っ白い画面に白黒の車がぽつんと描かれていた)に通じるそうです。広告業界での経験が生かされているのですね。
そして、ストーリーへのこだわりは、オチがあることだそうです。朝起きて遊んで夜はみんなで寝ました、というだけではなく、あっと驚くようなオチがある作品を作ることを目指しているそうです。なかえさんがオチを考え、上野さんが納得のいったものだけを出版社に見せるようにしていたそうですよ。
シンプルなねずみくんの絵本にはこんなにたくさんの思いがつまっていたのですね。おもしろさの秘密がわかりました!ぜひシリーズ全39冊(あってるかな?)を読破したいと思います。
とびだす!うごく! たべもの
もう今年も終わりかぁ。
私は今年から育休から職場に復帰したので、変化がとても大きく、1年間がとても長く感じられました。みなさんはどうでしたか?
こんな前振りをしつつ、全然関係ない絵本を紹介します!帰省や旅行の機会が多いこの時期、バッグに忍ばせておくのにぴったりです。楽しい絵本とともに、良いお年をお迎えください!
あらすじ
ページをめくると、うさぎさんが持ったおにぎりが飛び出してきます。なかみは何かな?次のページは、大きなぷりんがぷるるんとお皿に出てきます。お次はごちそういっぱいのおべんとう。オムライスにソフトクリームにラーメン・・・。
子どもも大人も大好きなたべものが絵本から飛び出してくる、楽しい絵本です。
おすすめポイント
こども大喜び!
大好きなたべものが絵本から飛び出してくる!で、食べているのは親しみのあるうさぎさんやくまさん、ねこさんたち。子どもの大好きなものばかりで構成された絵本です。
この絵本、写真だとわかりづらいですが、縦8cm、横9cmとてのひらにのる小さいサイズなのです。おでかけの時にかばんに入れていきやすいですし、子ども用の小さいかばんにも入ります。本のサイズは小さいですが、飛び出すしかけはダイナミックです。なんと3段重ねのデコレーションケーキが飛び出てくるんです!よくこんな小さな本に仕掛けが入ってたなぁと感心しました。
作者について
作者はわらべきみかさんです。最初、私はわらべさんの絵は「かわいすぎてちょっと苦手かな」と思っておりましたが。。。
わらべさんは、もともと漫画家になりたくてなんと手塚治虫さんのアシスタントをされていたそうです。そこで自分には漫画は無理だと感じ、自分の絵を活かせる場を探してたどり着いたのが、赤ちゃん・子ども向けの絵本の世界でした。
わらべさんがてがける絵本は、子どもがはじめて見る絵になるので、シンプルでわかりやすい、かわいらしいものになるようこころがけているそうです。ゾウを描くなら、写実的に描くのではなく、それがいかにゾウとわかるように、シンプルにかわいく描くのだそうです。また、わらべさんは1ページごとに驚きがあるように、常に考えられているそうです。逆に驚きがないなと感じたら、何回でも描き直すそうですよ。
この小さな絵本は、こんなに考えつくされていたのですね・・・。かわいいイラストも、動物とたべものというシンプルな内容も、全て見る目が変わったのでした。子どもが夢中になるわけですね!
しろくまのパンツ
先日、「tupera tupera 絵本の世界展」に行ってきました!
展示を楽しんだあと、買った本がこちらです。
絵本がパンツを履いています!
あらすじ
パンツをなくしたしろくまさん。どんなパンツをはいていたのかも忘れてしまいました。困っていたら、ねずみさんが一緒に探してくれることになりました。
まず見つけたのは、おしゃれなしましまのパンツ。これはだれのパンツ?
次に見つけたのは、かわいい花柄のパンツ。これはだれのパンツ?
おつぎは、おいしそうなお菓子の模様のパンツ。これはだれのパンツ?
たくさん探したけれど、しろくまさんのパンツはなかなか見つかりません。でも、しろくまさんをよく見ると・・・?
おすすめポイント
ぼんやりしすぎのしろくまさんと、ゆる~い雰囲気
まずは、「なんでパンツをなくすんや??」という疑問が。読み進めて行き、最後のオチでさらに「どういうことーー!?」ってつっこみたくなるような、しろくまさんの ぼんやりっぷりを楽しむことができる絵本です。
ストーリーはゆるめですが、tuperatuperaさんのデザインへのこだわりは随所に表れています。まずは表紙ですが、しろくまさんが履いている赤いパンツは絵ではなく、絵本とは別の紙でできており、本当に絵本が履いているようになっています。ですので、パンツを絵本から脱がせてから読む仕組みになっています。また、絵本の中に出てくるパンツのデザインも凝っています。個人的には、イカさんのパンツが印象に残っています。なかなか、脚が10本ある生き物にパンツを履かせようとはなかなか思いませんよね。
作者について
作者はtuperatuperaというユニット名で活動をされている、亀山達矢さんと中川敦子さんご夫婦です。お二人は美大入試用の予備校時代からのお付き合いだそうです。大学卒業後、中川さんが手がける手作り雑貨に亀山さんの絵を縫い付けたらどうだろうかと、中川さんが亀山さんに声をかけたのがきっかけで、二人での活動が始まりました。そして絵本作家になるきっかけは、雑貨の展示を見に来ていたお客さんからのお誘いだったそうです。
しろくまのパンツは、亀山さんが「絵本にパンツを履かせたい」と思い、まず表紙だけが先に決まりました。読むためにパンツを脱がしたら・・・パンツはどこへ行ったんだっけ?となり、パンツを探すアイディアを思いついたそうです。最初は、中川さんも編集者の方も「意味がさっぱりわからない、そんなボケ方ないだろう」と思った(・・・やっぱり 笑)のですが、熱心に亀山さんが説得し絵本を作ることになりました。
tuperatuperaさんの作品は、紙や布を切り貼りして作られています。「tupera tupera 絵本の世界展」では、たくさんの原画が展示されていましたが、細かい作業に圧倒されました。みなさんも機会があればぜひ足をお運びください!もうちょっとで終わっちゃいますが!
フルーツケーキ いただきます
もうすぐクリスマスですね!
今年はケーキを手作りしてみようかな。
スポンジの生地を作って、を焼いて、冷まして、飾りつけして・・・
考えたらめんどくさくなったので、やっぱりスポンジはスーパーで買ってきて飾り付けだけにしよう。
この絵本を読めば、子どもも一緒にできるかな?
あらすじ
スポンジにクリーム、イチゴにキウイにバナナにみかん。
材料がそろったら、さあフルーツケーキを作りましょう!
まずはスポンジにクリームをぬりぬり。その上にイチゴをぽんぽんぽん。
スポンジを重ねて、クリームをぬりぬり。その上にキウイとみかんをぽんぽんぽん。
どんどん重ねて、フルーツケーキの完成!
みんなで一緒にいただきます。
おすすめポイント
ページをめくるとケーキができていく!
最初のページは、スポンジにクリームを塗っている絵柄。次のページは、イチゴをのせている絵柄。次のページはスポンジを重ねてクリームを塗っている絵柄。ページをめくるとどんどんケーキができていきます。
子どもは大好きなフルーツが出てくることと、豪華なケーキに仕上がっていくところがたまらないらしく(?)夢中になっていました。たぶん、100回は読み聞かせしていると思います。。。
食べるの大好きなお子さまにぜひどうぞ!
作者について
作者は、岡村志満子さんです。
以前、「サンドイッチ いただきます」でご紹介しましたが、岡村さんはもともとデザイナー出身ということもあり、デザイン性を生かして本を作ることに力を入れていらっしゃいます。絵本の中に、デザイン性を生かして親子のコミュニケーションをとれる部分を入れているそうです。
「サンドイッチいただきます」は、親子で話したくなる部分が満載ですよね。絵本の上でクリームをぬりぬりしたり、いちごをぽんぽんと置いてみたり。そこまでやったら、実際にケーキを作りたくなりますよね。あ、岡村さんご自身もやってらっしゃいますね!
岡村さんは、子どもたちと一緒に絵本を作ったりする、ワークショップにも力を入れていらっしゃいます。そのワークショップ、私も行ってみたいな~。近くに来てくれる日を心待ちにしております。
ねずみくんのくらべっこ
あんまり季節に関係ありませんが、こちらの本を。
お子様の語彙力向上に役立つと思います!
あらすじ
太っちょのねずみさん、スリムなねずみさんが、いろいろくらべっこをして遊びます。
ふたりが持ってる風船、どっちが大きいかくらべっこ。ふとっちょさんが大きい!と思ったら、ぱーん!カラスさんに割られてしまいます。
お次は積み木。どっちが高く詰めているのかくらべっこ。ふとっちょさんが高い!と思ったら、がらがらがっしゃーん。崩れてしまいます。
今度は山のぼり。走るふとっちょさん、自転車のスリムさん。どっちが速いかくらべっこ。のぼりはふとっちょさんが速かったけど、くだりはスリムさんに追い越されてしまいます。
さあ次は何をくらべっこするのかな??
おすすめポイント
子どもが楽しく自然に形容詞を理解する
言葉を話せるようになってきた子どもは、指差ししながらたくさんの単語を口にします。その単語は名詞、ものの名前がほとんどだと思います。親が「これはりんごっていうのよ」と教えるのもまずは名詞だと思います。
この本は、なかなか教えるのが難しい形容詞を、楽しくわかりやすく教えてくれます。「大きい」という言葉を教える時は、対になる「小さい」も一緒に示すことで概念がわかりやすくなるのですが、それをかわいいねずみさんがくらべっこという形で見せてくれています。
「大きいのはどっち?」とか声をかけながら読み聞かせると、子どもはすぐに理解すると思います。「子どもの教育は気になるけど、知育とかあんまり力を入れすぎるのもな~」とお考えのお母様にぴったりな絵本かと思います!
作者について
作者は多田ヒロシさんです。
「ねずみさんのくらべっこ」は、「ねずみさんのながいパン」「ねずみさんのおかいもの」と同じシリーズです。「ねずみさんのながいパン」「ねずみさんのおかいもの」共に、ねずみさんの大家族のだんらんシーンが特徴的です。もともと、編集者さんから「みんなで一緒にごはんを食べるとおいしいね」という内容の本を作ってほしいと言われ、できたのが「ねずみさんのながいパン」だったそうです。
次作の「ねずみさんのおかいもの」が、かなり難しかったそうで、これだけで何回も描き直したとインタビューで答えていらっしゃいます。そして、次の続編が「ねずみさんのくらべっこ」です。
くらべっこには、家族のだんらんシーンはありませんが、前作に登場するねずみの兄妹がくらべっこをして遊ぶ内容になっています。前2作とはかなり毛色の違う内容にはなっていますが、前作を読んだことがあれば、なお親しみをもってこの本を読むことができると思います。
多田ヒロシさんの絵本はこちらでも紹介しています。
まぜまぜぷーちゃん
今日も食べ物の絵本です。
食べ物の本、子どもは好きですよね!
あらすじ
ぷーちゃんがおやつのヨーグルトを食べようとすると・・・
「ぷーちゃん、いちごもどうぞ」
お友達のねこさんがいちごを持ってきてくれました。
ぷーちゃんはヨーグルトにいちごをまぜまぜ。
「ぷーちゃん、バナナもどうぞ」
次はお友達のねずみさんがバナナを持ってきてくれました。
ぷーちゃんはバナナもまぜまぜ。
次はいぬさんがビスケットを持ってきてくれますが、ぷーちゃんはみーんなまぜまぜ。
最後にあまいジャムもまぜまぜ。
みんなでまぜまぜして、いただきまーす!
おすすめポイント
おやつにどうぞ!
シンプルでわかりやすいお話です。身近な動物たちと身近な食べ物が出てくるお話なので、子どももとっつきやすいようです。
まぜまぜヨーグルトは準備も楽だし、子どもも一緒に作れる(作るっていうほどでもないですけど)ので、おやつにぜひどうぞ。我が家でもやってみましたが、見た目・・・はまぁ置いといて、味はおいしかったです!意外とビスケットが◎でした。
ただこの本、出版元のポプラ社でも在庫切れとなっていて、どうやら売っているところがなかなか無さそうです。Amazonでも中古しか流通していないようで。良い本なのに残念です。図書館等で見つけたらぜひ借りてみてくださいね。
作者について
作者はたるいしまこさんです。たるいしさんも最近よく登場しますね。はい、大好きなんです。たるいしさんは絵もお話も、作品ごとに雰囲気がかなり違うのですが、全て素晴らしいなぁと思います。
今まで紹介した作品もどうぞご覧ください!
ノンタン!サンタクロースだよ
街中にもクリスマスのディスプレイが目立つようになってきました。
ということで、今日はクリスマスの絵本を紹介します。
うさぎサンタもくまサンタもねこサンタも、寝ないと来ないみたいです。
おばさんサンタも来てくれないかな。こんなにがんばってるのに(笑)
あらすじ
赤い自動車がほしいノンタン。クリスマスイブの夜、ノンタンはサンタクロースに頼むために、外に出かけます。
うさぎさんの家でサンタクロースを見つけて声をかけますが、「わしゃうさぎサンタだからねこのプレゼントはもってないよ。ノンタンのプレゼントは、ねこサンタが持ってくるよ!」と行ってしまいます。その後も、くまサンタ、たぬきサンタ、ぶたサンタに会いますが、みんな同じ答え。
ねこのサンタを探し疲れたノンタンは木の下で眠ってしまいます。そこにやってきたのは・・・?
おすすめポイント
サンタさんの世界、そんな運用だったのね!
いるのかいないのか、子どものころにわくわくしたサンタクロース。サンタクロースってたくさんいるのかな?世界中の子供にプレゼントを配るなら、それはそれはたくさんいるはずですよね。一人で全部配ってますなんて言ったら、とたんにサンタクロースの存在が嘘っぽくなってしまいます。
この絵本は、サンタさんはたくさんいて、みんなで手分けしてプレゼントを配っているんだよ、教えてくれます。あぁ、それなら世界中の子供たちに一晩でプレゼントを配ることができるね、と子どもも納得することでしょう。サンタクロースは本当にいると、私は信じたい方なので、子どもにもこの手の話はたくさんしてあげたいなぁと思います。
作者について
作者はキヨノサチコさんです。
ノンタンは最初、大友康匠/幸子夫婦の共作として出版されていましたが、離婚と裁判を経て、キヨノサチコさん単独の作品として扱われるようになったそうです。ちょっと複雑な事情があるようですが、裁判で判決も出ているわけですので、ノンタンの作者はキヨノサチコさん、と紹介したいと思います。
こんな事情は置いておいて・・・、キヨノさんはこの本の後書きで、「この絵本で、サンタさんはほんとうにいるんだよと自信を持って答えた」と書かれています。サンタさんを信じている方が、子どもの世界は広がり、ずっと夢を持ち続けられるともおっしゃっています。
私は「サンタさん、いた方が楽しいよね」ぐらいの軽い気持ちで考えていましたが、サンタさんの存在は子どもの将来にまで関わってくるのですね。まぁでも、あんまり難しく考えずに、今年も毎年恒例ケンタッキーフライドチキンでクリスマスを楽しもうと思います。