毎週絵本

毎週、子ども向けに図書館で絵本を10冊借りることを習慣にしています。季節に合ったおすすめ絵本を紹介していきます。

パンダくんのおにぎり

桜も満開で暖かくなってきたけれど、なかなかおでかけできませんね~。早くワクチンができて、コロナウィルスがインフルエンザぐらいの扱いになるといいのだけど!

今日のGoogleのトップページは「公衆衛生従事者・研究者のみなさん、ありがとう。」をテーマにしたロゴになっていました。

https://rits-cheder.xyz/doctor/

「コロナいつまで続くのよ~、イライラ」って思ってしまいますけど、自らを危険にさらしながらウィルスに立ち向かう人たちに感謝の気持ちを忘れず過ごしたいと思います。Googleさん、気づかせてくれてどうもありがとう。

 

パンダくんのおにぎり

  • 作者(文・絵):いしかわ こうじ
  • 初版:2009/10/05

 

あらすじ

パンダくんは、おかあさんといっしょに山登りにきました。頂上についておにぎりを食べようとしたら、「ころころころーん!」山の斜面をおにぎりは転がっていってしまいました。

パンダくんがおにぎりを追いかけていくと、シマウマさんに会います。おにぎりはどこにいったのかな?
次に出会うのはうさぎさんのピアノコンサート。おにぎりはどこにいったのかな?
次はペンギンさんのスケートリンク。おにぎりはどこにいったのかな?

おにぎりを探しながら読み進める、楽しい絵本です。

おすすめポイント

思ったより難しい・・・

シマウマさん、ピアノ、ペンギン等、この山にはなぜか白黒のものばかりあるみたいです。白黒の中に隠れた白黒のおにぎりを探すのは、むむ・・・思ったより難しいぞ!

こういう探す系の絵本は、1回見つけてしまったら終わりなのかと思いきや、子どもは気に入って何回も読み聞かせリクエストをしてきました。どのページも、どこにおにぎりがあるか覚えてしまっているので、探すのが楽しいというよりも、「あったー!」と言うのがうれしいみたいです。

子どもと一緒に探して楽しむもよし、おにぎり以外の絵を見て楽しむもよし、読んだ後おにぎりを作って食べるのもよし!いろいろおいしい絵本です。

作者について

作者は、いしかわこうじさんです。

「年齢も国籍も関係なく楽しめる絵本を作りたい」とおっしゃるいしかわさん。この絵本も間違いなくみんな楽しめます!だって私みたいなおばさんもすっかり楽しませてもらいましたから。

いしかわさんの絵本はこちらでも紹介しています。

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ぼく、まってるから

だんだん暖かくなってきて桜も咲いたりしていますが、「春が来た~!お花見だ~!!」という気分にはなりづらい状況ですね。コロナウィルスへの対策にはいろいろな考えがありますが、自分と周りの人を守るという考えで行動しようと思います。

今日は、ひとりぼっちでも、お友達を待ち続けたねずみさんのお話です。私もすっきりするまで待ってまーーす。

ぼく、まってるから

  • 作者(文):正岡慧子
  • 作者(絵):おぐらひろかず
  • 初版:2013/2

 

あらすじ

春になってごきげんのねずみくんが菜の花道を歩いていると、「どーん!」と何かにぶつかってしまいます。それは、菜の花を見ていたくまくんでした。くまくんは菜の花が大好き。ねずみくんとくまくんはその日から友達になりました。

ねずみくんは毎日くまくんの家に遊びに行き、天気が良い日は一緒にでかけました。夏は魚釣り、秋は一緒に冬支度をしました。でもある日、ねずみくんがくまくんの家に行っても、くまくんはベッドから起きてきません。くまくんは冬眠に入ってしまったのです。

その日からすっかり元気をなくしてしまったねずみくん。くまくんのことばかり思い出してしまいます。そうだ!くまくんは最初に会った時、「菜の花が大好き」って言ってたなぁ。

ねずみくんはくまくんの家の前に菜の花の種を植えて世話をし始めました。「くまくん、いっぱいねむっていいよ。ぼく、まってるから」そう言いながら、菜の花が育つのを楽しみに待ちました。

春になって目を覚ましたくまくんが目にしたのは・・・?

おすすめポイント

気持ちを切り替えて前向きに待ってるねずみくん

くまくんが冬眠してしまって、落ち込むねずみくん。その姿を見ると、「あぁ、こんなに仲良しなのにお別れなんて。。。」とこちらまで悲しくなってしまいます。でもそのあと、くまくんの好きな菜の花を育てながら待つように気持ちを切り替えます。きっと、春に菜の花を見て喜ぶくまくんを想像しながら、大事に育てたんだろうなぁ。

どうせ待つなら、前向きに待った方が良いですよね。みんなコロナが落ち着くのを「待つ」わけですが、落ち着いた後の準備をしながら待つのも良いかもしれませんね。我が家は夏の旅行計画でも立てておこうかなぁ。

作者について

作者は、正岡慧子さんとおぐらひろかずさんです。今日は正岡さんに注目したいと思います。

正岡さんは、広告代理店勤務、飲食店経営を経て絵本作家になられた、異色の経歴をお持ちです。異色と書きましたが、絵本作家の方はけっこうおもしろい経歴の方が多いなぁと思います。いずれそういうのもまとめてみたいなぁ。

絵本は絵が主役という正岡さん。絵本を作る際、正岡さんが文を先に書きますが、絵描きさんが絵を描いたらいったん文を全部捨てて、絵に合わせて書き直すそうです。結果、文章がなくなり絵だけのページもできるのだとか。(「ぼく、まってるから」にもそういうページがあります!)

正岡さんはインタビューでこうおっしゃっています。

「こういうとき、あの絵本のあの子はこうしたよな」と思い起こすことができます。

絵本を読むことで子どもたちは、たくさんの心の経験を積み重ねていくことができます。

出典:絵本作家 正岡慧子さん 絵本作家インタビュー(前編)|mi:te[ミーテ]

 子どもだけでなく、大人も絵本に教えてもらうことは多いのだと思います。まだまだ私も心の経験を積んで行きたいと思うのでした。

バルボンさんとさくらさん

最近は夫婦共働きが「普通」になってきていますが、みなさんのご家庭はいかがでしょうか。

仕事の関係でダイバーシティの専門家のお話を伺う機会があったのですが、「女性は自分の生活スタイルを変えてでも家事/育児をするが、男性は変えずにできる範囲で家事/育児をしようとする人が多い」とおっしゃっていました。すごくよくわかる・・・。男性自身の考え方だけでなく、その男性の周囲(主に職場)の考え方も問題だったりして、なかなか難しいんですけど、我が家も含め、変わって行ってほしいなぁと思います。

前置きが長くなりましたが、今日は新婚カップルのお話です。私にもこんな時期もあったような無かったような・・・。

バルボンさんとさくらさん

  • 作者(文・絵):とよた かずひこ
  • 初版:1999/11/20
  • 対象年齢:2・3歳~

 

あらすじ

 わにのバルボンさんが勤める動物園の森の中に、保育園があります。動物たちが動物園で働いている間、こどもたちを預かっているのです。

こどもたちはさくらせんせいが大好き。コアラちゃんとカンガルーくんはいつもさくらせんせいにくっついています。でも、お父さん、お母さんが迎えにくると、みんなお父さん、お母さんが大好きになります。

バルボンさんは仕事が終わると、保育園にやってきて片付けを手伝います。バルボンさんとさくらさんはバスで一緒に家に帰ります。家に着くと、今日あったできごとをいっぱいいっぱいお話するのです。

おすすめポイント

サラリーマンが主役というめずらしい絵本

バルボンさんは動物園で働くサラリーマンです。仕事の日はバスで動物園に通い、「動物園のワニ」の姿をプロとして演じます。仕事が終わるとさくらさんと一緒に家に帰り、仲良くお話をします。シリーズの前作では、仕事終わりにさくらさんとデートをしていましたので、今回結婚してくれていてほっとしました。(笑)

シリーズを通して読んでいただくのがおすすめですが、なぜこの本にしたかと言うと、バルボンさんがさくらさんにとても優しく、共働きもうまくいってるように見えたからです。いいなぁ。

バルボンさんもさくらさんも、どうぞ幸せにね!

作者について

作者はとよたかずひこさんです。

絵本を作る時は、キャラクターの背景を考えるというとよたさん。大人気のももんちゃんは、大平原にお母さんと2人で住んでいる設定なのだとか。(ちなみにももんちゃんは、男の子。)

シリーズ開始当時のバルボンさんの設定は、33歳独身、血液型はO型、動物園勤務でした。なんとか彼女を作ってやりたいと思ったけれど、なかなか自然な出会い方を考えつかなかったそうです。バルボンさんはどんな働き方をしているのかを考えているうちに、無事にさくらさんと出会うことができたのだとか。

出会いが無いと悩むのは、現実世界でも絵本の世界でも同じなのですね!(笑)

たまごのえほん

コロナウィルス、こんなに大変なことになるとは思っておりませんでした!
私は最近在宅勤務を続けていますが、先日所用で久々に出社しました。なんだか・・・、会社ってこんなにいいんだーーー!って勤続十数年で初めて思いました(笑)
家にずっとこもっているのって、子どもだけでなくおばさんだってしんどいのだな。。。

今日は、親子で一緒に遊べるしかけ絵本のご紹介です。みなさんが自宅で少しでも楽しく過ごせますように!

たまごのえほん

  • 作者(文・絵):いしかわ こうじ
  • 初版:2009/12/8
  • 対象年齢:0・1歳~

 

あらすじ

しろいたまご。たまごを割る(ページをめくる)と・・・中にはかわいいひよこさん。たまごからひよこが生まれたよ!

まんまるのたまご。このたまごからは、かめの赤ちゃんがうまれたよ!

小さいたまご。このたまごからは、かたつむりの赤ちゃんがうまれたよ!

最後はとっても大きなたまご!このたまごからは何がうまれるのかな?

 

たまごが割れるような見た目のページをめくると、中にはかわいい赤ちゃんが!「なんだかよくわからない!」という方はぜひ本家のホームページをご覧ください。文章で説明するよりも100倍わかりやすいです(笑)

www.doshinsha.co.jp

 

おすすめポイント

こどもがめっちゃたまごをめくります

我が家の子はたまごのページをめくるのがとってもおもしろいらしく、すごい勢いでめくります。『たまごをめくって戻して次のページに進む』っていう一連の処理スピードがなんか他の本と違いました。もう早く次のたまごを見たくて仕方がない感じです。

この絵本、文字数はとっても少ないんですけど、いろんなことを子供に教えてくれています。まずは、赤ちゃんってたまごから生まれるんだということ(そうじゃないのもいますが)。次は動物の鳴き声や動きに合わせた音。そして、最後のページでは親子が一緒に描かれていますが、親と子の見た目の違い。私はこどもにちゃんと教えたことはありませんが、絵本を楽しむ過程で自然と身につくって素敵ですよね。

ただ、我が子のたまごをめくるスピード感。ただめくってるだけで全く考えていないんじゃないだろうな・・・とちょっと不安になる母なのでした。

作者について

 作者はいしかわこうじさんです。

いしかわさんは子どもの頃から、絵を描くことや工作、折り紙が大好きで、大学卒業後はイラストレーターとして働きます。イラストの仕事に打ち込んだり、「ペーパーわんこ」という立体の犬の工作に力を入れたり時期を経て、ご自身のお子さんが生まれたことをきっかけに絵本の道へ進まれました。

 「新しい生命が生まれる瞬間に立ち会える絵本を作りたい」という気持ちからたまごの絵本はうまれました。たまごが割れる様子を表すための、ページが三方向に開く仕組みを実現するには製本等でかなり大変な課題があったそうですが、編集者や印刷会社の方の協力を得てなんとか実現したそうです。

いしかわさんはインタビューで、こう語っています。

 絵本は文章だけじゃなくて、アイデアを絵や色、形で表現することができるので、年齢も国籍も関係なく楽しめるのが魅力。

出典:好書好日

 たまごの絵本をはじめ、いしかわこうじさんの絵本は海外で翻訳出版されています。きっと世界の子どもたちも、たまごをぺりぺりめくって楽しんでいることでしょう!

ショコラちゃんは おいしゃさん

コロナウィルスの影響が各所に出ています。私の会社も在宅勤務の指示が出されました。感染のピークカットをして、医療崩壊を起こさない。この意見に賛成のおばさんは、おとなしく家で過ごしているのでした。

こんな時でも家で本を読むのは自由です!今日は医療関係(?)の絵本を紹介します。

ショコラちゃんは おいしゃさん

  • 作者(文):中川 ひろたか
  • 作者(絵):はた こうしろう
  • 初版:2003/8/30

 

あらすじ

「リリリリーン!」
ショコラちゃんのおうちに電話がかかってきます。なんと、アフリカの動物たちが病気でたいへんとのこと。ショコラちゃんは犬のバニラに留守番を任せ、自家用機(飛行機!)を操縦してアフリカに向かいます。

アフリカに着くと、白衣をはおって動物たちを診療するショコラちゃん。「ははーん、わかったわ。」ショコラちゃんは草や木の実で薬を作り、動物たちに飲ませます。動物たちはすっかりよくなりました。

「リリリリーン!」
次はショコラちゃんの携帯電話にバニラから電話が。ショコラちゃんは急いで家に帰ります。バニラの診察が終わるとまた・・・

「リリリリーン!」
ショコラせんせいは大忙しです。

 

おすすめポイント

ショコラちゃんはなんでもやる。人生ほんとに楽しそう!

ショコラちゃんシリーズを全部読みましたが、ショコラちゃんはアクティブで好きなことが多く、何でもやってしまいます。スポーツ、車の運転、飛行機の操縦、レストラン、お花屋さん。そして今回はとうとうお医者さんになってしまいました。レストランやお花屋さんに至っては、「ごっこ」ではなく本当に開業しています。

ショコラちゃんシリーズを読み始めた頃は、「子どもがこんなに簡単にレストラン開業できるなんて、大人の世界をなめてもらっちゃ困る!」とちょっと否定的に思っていました(笑)ですが、3冊目ぐらいから、ショコラちゃんがまっすぐに、身軽に行動する姿に魅力を感じるようになりました。きっとショコラちゃんは、「好き」なことを『超』積極的にやるタイプで、だからこんなにできるようになるんでしょうね。こんな生活ができたら、人生楽しいだろうなぁ。

作者について

作者は、中川ひろたかさんとはたこうしろうさんです。今回は中川ひろたかさんを紹介したいと思います。

中川さんは、シンガーソングライター、絵本作家、カフェ店主、劇団立ち上げ、などなど多方面で活躍なさっています。なんと、ひらけ!ポンキッキで放送された「おーいかばくん」の作曲者なんですね。あの歌はなんだか忘れられません。(あ、世代がわかる・・・)

中川さんが絵本作家になったのは、ベネッセのこどもチャレンジで曲を作っていた時、本誌の編集者に「俺に話を書かせてみない?」とその場のノリで言ったことがきっかけでした。お話はそれまで書いたこともなかったけれど、書けると思ったそうです。

中川さんが多方面で活躍されている理由がわかるエピソードですよね。そしてショコラちゃんは、中川さんと考え方がきっと同じなんでしょう。

「やりたいことはすぐやってみる!」

石橋を叩いて叩いて、なかなか渡らない私には、本当に輝いて見えます。

 

ショコラちゃんシリーズはこちらでも紹介しています。こちらは絵を担当されているはたこうしろうさんに注目しております!

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もりのホテル

新型コロナウィルス、こんなにも大変なことになるとは思いませんでした。旅行に行ける状況ではありませんが、気分だけでも・・・。
美しい春の景色とあらいぐま一家のおもてなしに、心癒される絵本です。

もりのホテル

  • 作者(文・絵):ふくざわ ゆみこ
  • 初版:2015/4/23
  • 対象年齢:3歳~

あらすじ

森の中の大きな木にある、あらいぐま一家が経営する「もりのホテル」。

あらいぐまいっかはきれい好き、おきゃくさまに気持ち良くすごしてもらおうと、いつもホテルはぴかぴか。お母さんは庭の手入れ、お父さんはコック兼食料調達、おじいちゃんは支配人、子どものマロンはおじいちゃんのお手伝いをしています。

今日最初のお客様はへびさん。天井が低くて横に長い部屋で、のびのび過ごしてもらいます。次はくまさん。ホテルの一番大きな部屋でゆったり過ごしてもらいます。次はふくろうさん、小鳥さん、それぞれに合う部屋でくつろいでもらいます。

夕食は、川や森で取れたての食材を使った、お父さん自慢の料理でおもてなし。おきゃくさんの姿そっくりに盛り付けたデザートも人気です。

夜の時間はゆっくりとすぎて行き、ねむくなったらおやすみなさい・・・。

 

おすすめポイント

緻密に設計された世界観!

ふくざわさんの作品は、森や山の中が舞台になるものが多いのですが、いつも明るく楽しい雰囲気が出ていて素敵です。表紙の裏側には森の全体像が描かれており、動物たちの生活の場がわかるようになっています。また裏表紙にあるホテルの見取り図では、ホテルのどこにどの部屋があるのかが描かれています。ここまで細かく設計されているからこそこの雰囲気が出てくるのだろうなぁと思いました。

この絵本の全体像だけでなく、ホテルの調度品・動物たちの持ち物にも注目です。ホテルは全体的に茶色とグリーンの自然に溶け込む色合いに揃えられ、まさしく「もりのホテル」といった感じです。へびさん(女性)のスーツケースにはリボン、くまさんのスーツケースにははちみつやホットケーキの形をしたキーホルダーがついており、動物たちの個性まで設計されています。

ふくざわゆみこさんはストーリーに関係ないことも絵に描き込んでしまうとのことで、絵をじっくり見て楽しむことができるんですよね。いつも「あ、こんなものまで・・・」という発見があります!

作者について

作者はふくざわゆみこさんです。

ふくざわゆみこさんがこのところ続いていますが、本当にどの本も素敵なんです。ふくざわゆみこさんの絵本はこちらでも紹介しています。ぜひご覧ください!

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ブルくんかなちゃん いもむしくん

3月が近づいて、温かい日も増えてきましたね!今日は春の気分を味わえる絵本を紹介します。うちの子もいろいろな虫を持って帰ってくるようになるのかな・・・

ブルくんかなちゃん いもむしくん

  • 作者(文・絵):ふくざわ ゆみこ
  • 初版:2007/9/1
  • 対象年齢:2歳~

 

あらすじ

いぬのブルくんとかなちゃんはが庭で遊んでいると、葉っぱの上にいもむしを見つけました。ちょっといもむしが怖いブルくんですが、かなちゃんはおかまいなしにいもむしを箱に入れて自分の部屋に持って帰ります。

かなちゃんが部屋を出て行ったあと、いもむしが一匹箱から這い出して、壁をのぼっていってしまいます。ブルくんはいもむしが気になって仕方がありませんが、かなちゃんは全く気が付きません。

次の日、かなちゃんはいもむしと遊びました。その次の日はお絵かきをしました。何日かたって、ブルくんもかなちゃんもいもむしのことを忘れた頃、いもむしはちょうちょになって飛び立っていきます。 

 

おすすめポイント

子どもらしくてかわいいかなちゃんと、優しいブルくんの関係

ブルくんは怖い顔をしていますが、ちょっと臆病で優しい犬さん。かなちゃんは好奇心でそのまま動いている感じの、のびのび元気な女の子です。ブルくんはかなちゃんの行動にいつも振り回されている感じもしますが、お互い大好きな友達同士で、いつも仲良く遊んでいます。

ブルくんかなちゃんシリーズ3作目のいもむしくん。ふくざわゆみこさんの画力の高さで、最後に出てくるちょうちょがとても美しくはっとします。ですが、この絵本の最大の魅力は、最初は興味のあったいもむしくんをすぐに忘れてしまうというかなちゃんですね。子どもらしいかわいさが本当にほほえましいです!ふくざわさんの絵本はまず絵の美しさに惹かれますが、内容の優しさにいつも感心していまいます!

 

作者について

 作者はふくざわゆみこさんです。ふくざわさんの生まれ育った家にミカンや牡丹の木があり、アゲハチョウの幼虫がいたそうです。幼い頃の思い出が、この絵本につながったのでしょうね!

ふくざわゆみこさんの絵本はこちらでも紹介しています!

 

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ゆっくりのおはなし

先週に引き続き、新学期を迎えるお子さんを心配する保護者の方に紹介したいお話です。うちの子にも、こんな気の合うお友達ができるといいなぁ。

ゆっくりのおはなし

  • 作者(文・絵):ひろかわ さえこ
  • 初版:2000/4
  • 対象年齢:2歳~

 

あらすじ

ともだちがほしいかめさんは、ある日森の広場で、動物たちに話しかけます。

「あーーーーーーーーーーーーーーー」

動物たちは、かめさんが何を言っているのかわからず行ってしまいます。

「そーーーーーーーーーーーーーーー」

これまた動物たちには通じず通り過ぎてしまいます。

「ぼーーーーーーーーーーーーーーー」

 

やっぱりお友達はできないのかとかめさんががっかりしていたら、

「うーーーーーーーーーーーーーーーん」

と声が聞こえました。

さて、のんびりした声の主はだれでしょうか??

おすすめポイント

ゆっくりペースが合う、素敵な友達

このお話では、かめさんがゆっくりすぎて他の動物たちとはペースが合わず、なかなか友達ができません。でも最後にはかたつむりさんという、ペースの合うお友達ができました。人間でも同じですよね~。学校や職場に最初はなじめなくても、続けていれば「意外とこの人気が合うなぁ」という人に出会えたりします。

子どもにも良いお友達ができればいいなぁと思いますし、私自身にもまだまだ良いお友達に出会えたらいいなぁと思います。そのためには、かめさんみたいに、自分から「あーそーぼー」と、ちょっと勇気を出すことが必要なんでしょうね!

作者について

 作者はひろかわさえこさんです。ひろかわさんの絵本は、いつも優しい内容で、読んでいてほっとします。

 ひろかわさんの絵本はこちらでも紹介しています。

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おいしいな うれしいな(ゆうちゃんは1さい)

保育所の内定が出始め、4月からの準備を始められる方もいらっしゃるかと思います。「うちの子、保育園で大丈夫かな?」といろいろ不安になる時期でもあると思います。
今日は、そんな時におすすめの絵本をご紹介します!

おいしいな うれしいな(ゆうちゃんは1さい) 

  • 作者(文):とくなが まり
  • 作者(絵):みやざわ はるこ
  • 初版:1996/12/18
  • 対象年齢:0・1歳

あらすじ

保育園でのお楽しみ、お昼の時間がやってきました。
みんな並んでごはんを食べます。

スプーンを使ったり、手づかみで食べたり、コップで飲んだり。
自分で食べるのおいしいな。みんなで食べるのおいしいな。

ごちそうさま。あー、おいしかった。

おすすめポイント

保育所での過ごし方がよくわかる!

作者が保育士→園長→理事長と保育にずっと携わっておられただけあって、保育園の雰囲気がとてもリアルに描かれています。表紙のゆうちゃんは、手のひらを上に向けてスプーンを持っていますが、みなさんのご家庭ではいかがですか?うちの子は手のひらを下に向けて持つスタイルだったのですが、通っている保育所では、「手のひらを上に向ける持ち方を指導しています」と言っていました。ゆうちゃんも指導されたのかしら・・・。

この絵本は「ゆうちゃんは〇さい」シリーズの第1作目です。1さい~3さいまで、各年齢毎に3冊ずつシリーズが出版されています。それぞれの年齢で、子どもがどのように保育所で過ごしているか、どう成長していくのかがよくわかります。保育所ってどんな感じだろう・・・と不安な保護者の方々、一度読んでみてください!ちょっとわくわくすると思いますよ。

作者について

作者のとくながさんは、保育士として10年以上勤務され、その後園長を約20年勤められた後、現在は保育園の理事長として活躍されています。そんな中で思うことは、「食の大切さ」だそうです。保育所に通う子は親が共働きで忙しく、家族一緒に食事の時間をとることが難しい場合もや、保育園でのお昼ごはんが命綱のような子どももいます。何を誰と一緒に食べるのかを自らが決定する力を育てたいと、20年も前から食育に力を入れられてきました。

この絵本ができたきっかけは、絵本編集者の後路さんが、絵本を読まれている現場を調査しようと、当時とくながさんが園長を務めていた保育園を訪れたことです。後路さんは。保育園で子どもたちの仲間に入れてもらい一緒に過ごすことで、子どもたちから学びながらもっと喜んでもらえる絵本を作りたいと考えるようになります。4年間でシリーズ9冊が出版されましたが、その間30回も保育園に通われたそうですよ。

この絵本のリアルさは、保育歴が長い方が作られたから、だと思い込んでいましたが、陰に編集者の努力もあったのですね!保育所にゆうちゃんと同じ目線でいるような気持になれるのは、後路さんの成果ではないでしょうか。また、「自分で食べるのおいしいな」「みんなで食べるのおいしいな」に、とくながさんの保育への思いが詰まっていますね。作者のバックグラウンドを知ってから絵本を読むと、一言一言に重みを感じますね~!

どんぐりむらのいちねんかん

こんにちは。年も明けてもう1カ月がたちました。早いですね~!
今日は1年の流れを存分に感じられる絵本を紹介します!私は年始から仕事が忙しくちょっとお疲れだったのですが、これから楽しいことたくさんあるなぁ、とわくわく感を取り戻しました!ほんとうは年末に紹介できればよかったなぁ・・・

どんぐりむらのいちねんかん

  • 作者(文・絵):なかや みわ
  • 初版:2018/9/25

あらすじ

どんぐりむらの1月は、1年で一番おめでたい月です。みんなで年のはじまりを祝います。2月は一番寒い月。病院はかぜをひいたどんぐりたちでいっぱいになります。3月は引っ越しが多い月。4月は桜が美しい月・・・。

どんぐりむらの1年の様子を、1カ月ごとに紹介してくれる絵本です。季節の移り変わりやどんぐりむらの行事・暮らしがよくわかりますよ!

おすすめポイント

季節の移り変わりがよくわかる&おまけで遊べる

まずはページをめくるごとに季節の移り変わりを存分に感じられる点です。だんだん気温が温かくなって、卒園式や入学式、プールに入ったり運動会をしたり・・・。子どもの頃の思い出がよみがえるような気持ちになりました。季節に合わせて背景の木の葉の色も変わり、そのページの気温まで感じられます。

また、どんぐりむらシリーズではお仕事に焦点があてられていますが、この絵本でも仕事の繁忙期だったり、イベントで活躍するお仕事があったりと、お仕事の違った面を子どもにわかりやすく紹介してくれています。

毎月、村のカメラマンが写真を撮っている設定になっていて、どのページにも写真を撮るカメラマンが描かれています。最後のページではカメラマンが撮った写真を、どの月のものかあてるゲームもおまけでついています。親子でおはなししながらあてっこしてもよいですし、カメラマンがどこに描かれているのかを探しっこするのも楽しいと思います!

作者について

作者はなかやみわさんです。

もともとはキャラクター商品を扱う企業でデザイナーとして勤務されていたなかやさん。店頭にキャラクターが並んでも売れ行きが悪いとすぐに入れ替わってしまうのを見て、もっと作り込みたいと思うようになりました。そんな時に絵本コーナーで、自分が子どもの頃に読んだ絵本が、新刊のように並んでいるのを見て、自分もこのように長く愛される作品を作りたいを思うようになったそうです。

この絵本は、「どんぐりむら」シリーズの8冊目です。通常、どんぐりむらシリーズでは、どんぐりむらに住むあるどんぐりの仕事に焦点をあてたお話になっていますが、この絵本はスペシャル版で、どんぐりむらのみんなが登場してきます。シリーズの他の本を読んできた読者からすると、「あ、この子知ってる!」がたくさん出てくると思います。

長く愛される作品を作りたいと絵本の道に進まれたなかやさんは、みんなに愛されるどんぐりのキャラクターを世に生み出されました。どんぐりむらを読んで育った子が大人になっても、本屋さんの絵本コーナーには、どんぐりむらのなかまたちの笑顔が並んでいるのでしょうね!